2. 関数f(x) =x3+xlnxとg(x) =x+ex を定義してください. そしてf(g(x)),g(f(x)), f(x)g(x),f(x) +g(x)を計算してください.
3. 2点(x1, y1), (x2, y2)を通過する直線の式を求めてください. 4. 2点(2,5), (3,−7)を通過する直線の式を求めてください. 5. 2点(1,2), (2,4)を通過する直線の式を求めてください. 6. 式sx+ty=cの傾きを求めてください.
7.楕円16x2+ 4y2+ 96x−8y+ 84 = 0の中心と半径を求めてください.
8.式xn−ynにいくつかの正の整数nを代入して因数分解してください. そして一般式を予 測してください.
9. 式x2+(√
5−3) x−3√
5に因数分解を実行すると x2+(√
5−3) x−3√
5 = ( x+√
5) (x−3)
となります. 無理数を含む式でも,その形によって因数分解が可能です. 一方,式 x2−3と x3+ 3x2−5x+ 1に因数分解を実行しても,何も起こりません. これらの式を因数分解す る場合はどうしたらよいでしょうか?
10. 次の連立方程式の実数解と虚数解を求めてください. 2x2−y= 1 x+ 3y3= 4
3.7 練習問題の答え 75
(x1, y1)と(x2, y2)の関係によって,多くの可能性が生じます. ほとんど座標に対して適合 する解を簡単に得るには,ツールメニューから数式エンジン設定を選択し,特別なケースは 無視するをチェックします. これにより変数a, bは次のようになります.
解: [
a= cy1−cy2
x1y2−x2y1, b= cx1−cx2
x2y1−x1y2
]
これを使うと式は次のようになります. c
( y1−y2
x1y2−x2y1
) x−c
( x1−x2
x2y1−x1y2
)
y+c= 0 分数を無くし,項の整理を行なうと次のようになります.
(y1−y2)x−(x1−x2)y+ (x1y2−y1x2) = 0 4. 2点(2,5), (3,−7)を通過する連立方程式は次のようになります.
2a+ 5b+c= 0 3a−7b+c= 0 求解サブメニューの解を実行します.
解: [
a=−12
29c, b=−1 29c
]
この直線の方程式を求めます.
−12 29cx−
(
−1 29
)
cy+c= 0 分数を無くし,簡単化した式を次の示します.
−12x+y+ 29 = 0
5. 直線は原点(0,0)を通過するので,係数a, bのペアを一つに限定することはできません. 実 際,求解サブメニューから解を選択して,変数ダイアログでa, bを指定しても何もおこりま せん. この場合は,変数にa, cを指定します. すると,次のようになります.
[a=−2b, c= 0]
直線の式は次のようになります.
−2bx+by= 0 またはbで割って簡単化すると,次のようになります.
(−2bx+by)1
b =−2x+y= 0
Note: 行列を使って2点を通る直線の式を求めることもできます. 行列による代数計算の
詳細は334ページを参照してください.
6. 式y=mx+bの傾きはm,そしてy切片はbとなります. 直線の方程式がsx+ty=c として与えられるとしたら,yについて解を求めることで傾きが得られます.解y=−sx−ct に展開コマンドを実行するとy=−1tsx+1tcとなり,傾きが−s
t となります. 7. 式16x2+ 4y2+ 96x−8y+ 84 = 0の中心と半径を求めます.
(a)両辺から84を引きます.
(16x2+ 4y2+ 96x−8y+ 84)
−84 = 0−84
(b)左辺を選択して ctrl キーを押しながら簡単化を選択します. 右辺についても同じ操 作を行ないます.
96x−8y+ 16x2+ 4y2=−84
(c)変数xを含む項を並べ替えて,選択したら をクリックします. 同じ操作を変数y についても行ないます.
(16x2+ 96x) +(
4y2−8y)
=−84
(d)2次の項の係数をドラッグしてカッコの外に出し, 1次の係数をその数で割ります. 16
( x2+96
16x )
+ 4 (
y2−8 4y
)
=−84
(e)x2 の係数と,xの係数を12 倍した平方の積を両辺に足します. yについても同じよう に操作します.
16(
x2+9616x+(1
296 16
)2) + 4(
y2−84y+(1
28 4
)2)
=−84 + 16(1
296 16
)2
+ 4(1
28 4
)2
(f)項16(
x2+9616x+(1
2×9616)2)
を選択し, ctrl キーを押した状態で因数分解を実行 します. yについても同じように操作します.
16 (x+ 3)2+ 4 (y−1)2=−84 + 16 (1
2 96 16
)2
+ 4 (1
2 8 4 )
(g)右辺を選択し,ctrlキーを押しながら簡単化を実行します. 16 (x+ 3)2+ 4 (y−1)2= 64
(h)右辺の値で両辺を割ります.
16 (x+ 3)2
64 +4 (y−1)2
64 =64
64
(i)各項を選択し,ctrlキーを押しながら因数分解をそれぞれ実行します. 1
4(x+ 3)2+ 1
16(y−1)2= 1
3.7 練習問題の答え 77
上式のように変形できましたか? 中心の座標は(−3,1)で,半径は√
4 = 2および√ 16 = 4 となります.
8. 適当な整数を代入し,因数分解を実行します. x2−y2= (x−y) (x+y) x3−y3= (x−y)(
xy+x2+y2) x4−y4= (x−y) (x+y)(
x2+y2) x5−y5= (x−y)(
xy3+x3y+x2y2+x4+y4) x6−y6= (x−y) (x+y)(
xy+x2+y2) (
−xy+x2+y2) x7−y7= (x−y)(
xy5+x5y+x2y4+x3y3+x4y2+x6+y6) これらの結果から,奇数nに対しては次の式が予測できます.
xn−yn= (x−y)
n−1
∑
k=0
xn−k−1yk
偶数に関数する式は自分で考えてみましょう.
9. 例題から,係数にルート記号があれば因数分解できるので,積√ 3(
x2−3)
を因数分解し て
√3( x2−3)
= √ 3(
x−√ 3) (
x+√ 3)
を得ることができます. そして,元に戻すため に
√3で両辺を割れば,次のようになります. x2−3 = (
x−√ 3) (
x+√ 3)
多 項 式 x3 + 3x2 −5x+ 1 に つ い て は, 始 め に 多 項 式サ ブ メ ニ ュ ー か ら 複 素 数 解を 選 択 し て 解
[1,√
5−2,−√ 5−2]
を 求 め ま す.√
5 を 多 項 式 に 掛 け て 因 数 分 解 し ま す.
√5(
x3+ 3x2−5x+ 1)
= √
5 (x−1)(
x+ 2 +√ 5) (
x+ 2−√ 5)
と な り ま す. 最 後 に
√5で割れば,次のようになります.
x3+ 3x2−5x+ 1 = (x−1)(
x+ 2 +√ 5) (
x+ 2−√ 5) 10. 連立方程式にカーソルを配置して
2x2−y= 1 x+ 3y3= 4
求解サブメニューから解を選択します. 次のような解が表示されます. 解: [y= 1, x= 1],[
x= 4−3y3, y=ρ1
] ここでρ1 は次式の解 −53Zˆ−53Zˆ2+ ˆZ3+ ˆZ4+ ˆZ5−3118 カーソルを次の多項式に置きます.
−5 3Zˆ−5
3Zˆ2+ ˆZ3+ ˆZ4+ ˆZ5−31 18
多項式サブメニューから複素数解を選択します. 次の解を求めることができます.
解:
1.189 3
−0.606 63 + 0.982 68i
−0.606 63−0.982 68i
−0.488 01−0.920 69i
−0.488 01 + 0.920 69i
関数定義サブメニューの新しい定義コマンドを使って式x(t) =−3t3+ 4を定義します. 上 で求めた方程式の解を選択し,ペアカッコのアイコンをクリックします. ベクトル化した カッコの前にxを入力して計算コマンドを実行します.
x
−0.60663−0.98268i
−0.60663 + 0.98268i
−0.48801−0.92069i
−0.48801 + 0.92069i 1.1893
=
−3 (−0.60663−0.98268i)3+ 4
−3 (−0.60663 + 0.98268i)3+ 4
−3 (−0.48801−0.92069i)3+ 4
−3 (−0.48801 + 0.92069i)3+ 4
−1.0466
行列式の右端にカーソルを置いた状態で,展開コマンドを実行します.
x
−0.60663−0.98268i
−0.60663 + 0.98268i
−0.48801−0.92069i
−0.48801 + 0.92069i 1.1893
=
−3 (−0.60663−0.98268i)3+ 4
−3 (−0.60663 + 0.98268i)3+ 4
−3 (−0.48801−0.92069i)3+ 4
−3 (−0.48801 + 0.92069i)3+ 4
−1.0466
この結果を次にようにしてまとめて表示します. 2つの行列の中身を別の行に並べてコピー します. そして2つの式を選択した状態で数式処理メニューの行列+連結を選択します. 一番上の行を選択して,編集+行の挿入を選び,ラベルの行を追加します. そして次に示す ようにラベルを記入します.
x=−3y3+4 y
1 1
−1.0466 1.1893
−0.60247 + 0.40783i −0.60663−0.98268i
−0.60247−0.40783i −0.60663 + 0.98268i 0.62562−0.36793i −0.48801−0.92069i 0.62562 + 0.36793i −0.48801 + 0.92069i
79
第 4 章
三角法
三角法は直角三角形を始めとする, 色々な三角形の辺と角に関する研究から出発した三角形の解 析方法です. さらに三角関数を利用して辺の長さや角度を知ることが可能になったので,三角法は 色々な分野で利用されています.
4.1 三角関数
この章では主に6つの三角関数を利用します. その中でも基本となるのはサインとコサインで,中 心を原点に持つ半径1の単位円(ユークリッド平面)で定義することができます. 単位円上の座標 は(cost,sint)であり,tは正のx軸と座標点のなす(反時計回りの)角度です. 0< t <π
2 の範 囲における角度tに対して,これらの関数は直角三角形の一辺に比例する値を持ちます.残りの4 つ三角関数はサインとコサインを使って次のように定義されます.
tanx=sinx
cosx secx= 1 cosx cotx=cosx
sinx cscx= 1 sinx
サイン,コサイン,タンジェント,コタンジェント,セカント,コセカントはその省略形—sin, cos, tan, cot, sec, csc—で,関数として利用します. これらの関数の入力は,他の関数の場合と同じで, 数式モードでキーボードから直接入力するか,または をクリックして表示されるダイアログ から目的の関数を選択します. ダイアログは挿入+数式名でも表示できます. キーボードから数 式モードでこれらの関数を入力すると,最後の文字を入力した段階で,自動的に関数名が灰色で表 示されます.
サインとコサイン関数は全ての実数と複素数に対して定義されます. ここでは,実数に関してのみ 記述します. 複素数に関しては複素数の三角関数およびハイパボリック関数91ページを参照して ください. 実数部に関しては,サインとコサイン関数は[−1,1]の間の値を取ります.計算を実数に 制限するには, assume関数を利用します.
◮ 変数を実数に仮定する
1. 数式入力モードでassumeと入力します. 最後の文字を入力すると自動的に灰色に表示され ます.
1. カッコ内に変数名を入力します. assume(real) 2. 計算コマンドを実行します.
変数の仮定に関する詳細は109ページを参照してください.
Note 一般に関数の引数はカッコで囲みます. しかし,三角関数の場合,その必要はありません. 三角関数の場合は関数名の後ろに直接引数を記述します.三角関数の引数にもカッコを付け る場合は,ツールメニューの数式処理設定コマンドを選択します. ローカルファイルだけに 設定する場合は,数式処理 +設定を選択します. 一般タブにある関数の引数の形式で,引数 を必ずカッコで囲むをチェックします. 詳細は129ページを参照してください.
4.1.1 ラジアンと度
角度の記述方法によって三角関数はそれがラジアンか,または度であることを自動判別します.
◮ 数値計算
sin 30 =−0.98803 sin 30◦= 0.5
度を示す記号は緑色の単位名ボタンから入力するか,または,上付き文字として赤い丸記号を入力 します.度を示す記号がない場合はラジアンとして認識され,緑色または赤い色の丸記号があると, 度として認識されます.
• 緑色の円記号か,または,それ以外の角度単位を入力する場合は,挿入+単位名または数式 テンプレートツールバーの単位名ボタン をクリックして平面角を選択します. 目的 の単位を選択したら,挿入または置換ボタンをクリックします. 平面角に関する単位名や, キーボードショートカットによる入力に関しては44ページを参照してください.
• 赤い円の記号は記号キャッシュツールバーと二項演算子パネルにあります. ただし,これら は上付き文字として入力してください. 分を示す記号はアポストロフィーまたはプライム記 号を数式モードで入力します. 秒の場合は,分と同じ記号を2回入力します.
数式モードで入力した度,分,秒による角度のデータに計算コマンドを実行すると,結果はラジア ンで表記されます.
33◦16′= 499
2700π sin 45◦=1 2
√2
緑色の単位名記号が付いた式を計算すると次のようになります. 33◦16′= 0.580 61 rad
何らかの演算を施す際,度は自動的にラジアンに変換されます. 単位の切替を行うには,度の数値 を求解します.
◮ ラジアンを度に記号的に変換する 1. 2 =θ◦のような式を記述します.
1. カーソルをこの式に配置し,求解サブメニューから解を選択するとθ◦=360π となり, 2ラジ アンは
(360
π
)◦
となります.